上五明簡易郵便局の風景印(長野県埴科郡坂城町)
ローソン店内での郵便局開局第1号
【使用期間】平成21(2009)年3月18日~
【図案説明】戦国武将・村上義清の旗と坂城町の名産バラ、ローソン・ミルク缶マークの外枠
長野県埴科郡坂城町・上五明(かみごみょう)簡易郵便局の風景印です。
簡易郵便局に風景印というだけでも珍しいのですが、この郵便局、コンビニエンスストアのローソン店内にあります。
ローソン店内に郵便局が開局するのはこの局が全国初で、「簡易郵便局長を兼務した経営者が誕生」したのもローソン初だったそうです。
そんなわけですから当然、ローソンのマークをかたどった風景印というのも日本初。
ここでは、風景印を押してもらっている間に「からあげクン」だって買えてしまうのです。
店内には、コンビニのレジカウンターと並んで郵便局の窓口があり、局員さんが1名おられました(というか、この方が局長さん兼オーナーさんかな?)。
私が訪問したのは窓口オープン直後の9時すぎだったので、朝のお忙しいときにすみません、と言うと、「いえ、今の時間のほうがお客さんが少なくていいんです」とのこと。
郵便局の営業時間は平日の9時~17時(貯金は16時まで)ですが、ローソンのほうでは24時間、切手やはがきなどの購入が可能です。ただ、ゆうパックは局営業時間内もローソンのみでの受け付けだそうです。
このあたりのコンビニでは広い駐車場も当たり前ですが、簡易郵便局と考えると、こんなに広い駐車場完備というのはまずありませんよね。
ところで、2002年に郵政事業庁(当時)とローソンが業務提携して以来、郵便局とローソンはさまざまな形でビジネス展開をしています。
ローソンの中に郵便ポストがあるのは今や普通になりましたし、渋谷郵便局など、大きな郵便局の中にある「JPローソン」や、ローソン店舗を増床して郵便局を併設した「小倉清水郵便局+ローソン小倉清水二丁目店」のようなケースもあります。
しかしこの上五明簡易郵便局はそれらとは少し異なり、「一時閉鎖していた簡易郵便局の再開」を目指したものでした。
一時閉鎖していた簡易郵便局を再開するために、2008年9月に上田郵便局上五明分室としてオープンさせたうえで、「ローソン坂城村上店」のオーナーを局長として研修し、2009年2月に上田上五明簡易郵便局として再開した、という経緯です。
分室オープン時のプレスリリースには次のようにあります。
このような大きな目標を掲げ、鳴り物入りで始まったシステムのようで、風景印の配備は、その意気込みの表れだったのかもしれません。両社(日本郵政とローソン。筆者注)ではこれまで、一時閉鎖の簡易郵便局の再開を検討する「簡易局サポート分科会」を設置し、協議を重ねてまいりました。一時閉鎖中の簡易郵便局周辺のローソン店舗を候補とし、面積、オーナー資質などの条件から受託可能な店舗を精査した結果、第1号店として「ローソン坂城村上店」のオーナーに簡易郵便局業務を委託することとしました。
(中略)
今後、ローソン坂城村上店での経験を活かし、ローソン店舗への簡易郵便局業務の委託拡大を目指してまいります。
今回の取り組みにより、ローソンは地域社会へ貢献しながら発展する新しいビジネスモデルの構築を目指してまいります。また、郵便局会社は、一時閉鎖をしている簡易郵便局の再開を進め、全国ネットワークを維持しながら、郵便局の更なる利便性の向上に取り組んでいきます。
しかし、どうもその後、この取り組みが全国に拡大している様子はありません。
訪問した限りでは、地元住民にとってメリットの大きいシステムではないかと感じましたが、今後はどういう展開になっていくのでしょうか。
▼参考
一時閉鎖簡易郵便局の再開に向けて ローソン坂城村上店(長野県)の店内に郵便局を開局(日本郵政のプレスリリース、PDFファイル)
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